シン・ゴジラ 感想
※最後のほうに若干のネタばれがあります
※まとまってませんが、ご容赦ください。
曰く、庵野さん脳内の実写化
ちょっと前に、妻と『映画 サマーウォーズ』を見たときのこと。
妻は、映画を観た結果、サマーウォーズは好きじゃない*1と言っていました。
理由として、(少しCGを加えて)実写化できそうな人の動きを中心としたアニメは、なぜ実写でやらないのか、ということにでした。
この時、わたしは、大変な衝撃を受けたことを覚えています。えぇ。
いやいや、実写ドラマとかでも面白いと思うけど、それは、極論ではありませんかと。
今日はそんな妻が外泊していることを機に、『シン・ゴジラ』を見に行きました。
ついでに4DXも体験*2してきました。
で、出た時は
「おれも自分のできる力一杯で、仕事頑張ろう!!」
と、高揚感に満ちた思いでした。庵野さん、エヴァ早く作れって思っていたのは、謝ります。この映画、最高です。でも、早く作ってくれ。
久々に映画で泣きました。
この映画の見どころが三つ
『庵野構成』とでもいうべきところと、
『個の力の結集』、
そして、『ドラマ性』。
たぶん、妻が言っていた理由を看破できるはずなのでそのうち妻に見せようかと思います。(アニメじゃないけど)
庵野構成はネタばれが入るので、人が~から説明します。
- 個の力の結集
ずいぶん前、会社のおじさん*3から、わたしが中心のプロジェクトが進まなさすぎて怒られたことがあります。おじさん曰く「仕事で汗をかけ」と。その時のプロジェクトが「上と横から押し付けられた」とずーっと感じていて、情熱を持てずにそのプロジェクトをしていました。案の定、プロジェクトは途中頓挫。そんな苦い思い出を思い出しました。この映画を見た後の今同じことをしたら、もう少し良い結果になりそうです。
この『個の力の集結』というのが、わたしが泣いた理由です。ちなみにこのストーリーを大まかに説明すると、
- なんか災害がおきた
- なんなんだ??
- 巨大生物の仕業だった!!
- 巨大生物いったんはける
- あの巨大生物倒すのにどうすれば良い?? → いろんなところから人材を集めて作戦考えよう
- いなくなってからしばらく経った。きっとまた来る。これを予期していた人の案で「ゴジラ」と命名。
- 来た!!戦うぞ!!
みたいな展開です。
この中で4~6に向かってゴジラは出現せず、しばらくの間、ゴジラなしでストーリーは進みます。この間に、いろんな人が自分の持っている知識、技術、人脈を活かしてゴジラの生態を解析していきます。
この
「大人たちが一つの課題に向かって仕事を全うする」
するシーンに泣きました。
ある人は生物学的見地からゴジラの弱点を見極め、ある人は政治のコネで人脈を使い要請を仰ぎ、また自衛隊などは作戦立案しこなす。
こんな人たちが、淡々と、しかし、解決の糸口を見つけるための(あるいは糸口を見つけて一心不乱に行動する)情熱を持って仕事をしているシーンは、今だからこそぐっと来るものがあります。やっぱり汗をかく人の姿は美しいですね。
- ドラマ性
ここでいうドラマ性は、シーンの編集についてのこと。
臨場感のあるシーンを移した後に、閣僚ののんびりとしたシーンの対比だったり、現場→総理の意思決定をするシーンで4回~5回ぐらい指揮系統の川上~川下まで電話をするカット割りだったり。
まぁ、映画はたくさん見るものの○○手法が多用されていた!!みないなのは正直あまりわからないんですが、緩急がついてて見あきることがありませんでした。
あと、チョイ役から主演まで、俳優陣がすごく良いです。
主演の長谷川さん。フジテレビの月9のデートを見ていたのでとても好感は持っていましたが、やっぱりこの人の演技は安定しているなぁと感心しました。できる人の役だけど、主演として画的に目立たないものの、そこが他の俳優陣を引き立たせてています。
高橋一生さんとか民王ぶりに見たけど、たまにやるコミカルな演技がとってもキュートです。
尾頭役の市川実日子さんが淡々と早口で説明するシーンとか、なんかアニメっぽかったのだがまたそこが良かった。とてもこの役、エヴェっぽい。
あと、言っていくときりがないですが、柄本明さん、大杉連さん、片桐はいりさんとか、ピエール瀧さん、前田敦子さんや平泉さんなどなど、ドラマや邦画好きならすごく豪華な俳優陣でした。
- 庵野構成
※ここから少しネタばれ
勝手にそう思っただけです。前、なんかの記事で甲本ヒロトが、「中学生を騙すのがロック」って読んだけど、わたしは庵野という人物に騙されていることが理解できました。
思えば、エヴェなどで育った世代なので
『明朝体で場所や物の説明の字幕』『正攻法の総力戦で全く歯が立たない』『「16000発が弾かれた!!」』『戦車がその場でまわれ右』『光の巨人、火の七日間オマージュ』『おちびさん』『あぐらをかいている有識者の役に立たなさ』『「多摩を最終防衛ラインとする」』『緊急対策室でPCとコピー機のゴトゴト配置する』『立川にある予備の基地』『背中から攻撃』『光線で戦闘機を切る』『庵野爆発』『ちらっと映るなんでもない映像(マジックインキかちゃかちゃとか)』『無機質なものを人間が列に並べる』『モノレールの操車場でワンカット』『第四形態』『無機質なコンピューター画面』『上昇していく数値』『「最低ラインを突破!!」』『在来線爆弾』『N700系爆弾』『ティンパニーから始まる例の戦闘曲』『突然の白黒写真』『重要人物が行方不明』『重要人物が残したものの中にえんぴつでメモ書き』『巨人兵の光線を彷彿とさせる収束光線』『会議室の真ん中で図をわさっと広げる』『物の移動は段ボールで』『あぁ、この人、シーン見えないけど死んだな』
みたいなのに心ときめかせるんです。すっごいときめかせました。やっぱりこういう演出あるといいよねー。全部が全部庵野さんの構成、手法じゃないけれど、『』のシーンが印象に残りました。
というわけでシン・ゴジラの感想でした。