家鴨男は陸の孤島で暮らしている。

家鴨男の日記。備忘録。

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」  新井英樹『真説 ザ・ワールド・イズ・マイン』

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

 

  • それは2007年のこと

 それは2007年のこと、当時の僕は、それはそれは緩やかな就職活動をしていた。就活ではよくある「人生」「仕事」の目的だったり、「生きる意味」「自己分析」「家族とは」「社会とは」「コミュニケーション」みたいにきっちりとした『抽象的でよくわからない言葉』に悩みつつも、大学4年のモラトリアムな日々をふわふわ過ごしていた。

 そんな時に一冊の漫画にであった。それがこちら↓

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 まずこの本(漫画)説明する。

wikiから引用すると、概要は

同時期に連載された『殺し屋1』とともにカルト的な人気を持つ異色の漫画である。とくに理由もなく殺人を犯すモンちゃんとトシ、正体不明の生物ヒグマドンが起こす騒動に関わる人々の人間群像劇が描かれている。作中ではインターネットが重要な役割を果たしたり、9.11以前に同時多発テロを描くなど、時代に先駆けた描写が多数存在する。

タイトルは映画『スカーフェイス』の劇中に登場する"The World is Yours"(世界はあなたのもの)の文字から引用された。

その過激な暴力描写とストーリー性から話題を呼び呉智英岩井俊二松尾スズキ庵野秀明宮崎哲弥高橋源一郎樋口真嗣町山智浩といった著名人から絶賛された。

 

要約は

東京都内各所で消火器爆弾を設置するモンちゃんトシの二人組(通称トシモン)は、これといった理由もなく北海道を目指す。その道中、青森県で成り行きから連続爆破、警察署襲撃、殺人代行といった日本全土を震撼させる無差別殺戮を開始する。それは内閣総理大臣までも舞台へと引きずり出す大きな勢いとなる。時期を同じくして、北海道から津軽海峡を渡ったといわれる謎の巨大生物「ヒグマドン」が出現し、次々に人々を惨殺して東北を南下していった。「鉄人」とも呼ばれる熊撃ちの老人と、新聞記者がそれを追いかける。そして遂に3つの点が秋田県大館市で遭遇する。ここで初めてヒグマドンの全貌が明かされ、物語はアメリカ大統領すら巻き込む全世界レベルで進行していく。

ザ・ワールド・イズ・マイン - Wikipedia

 

「抽象的でよくわからない言葉」の数々をあんまり模索していなかった自分自身とって当時、ショッキングで過激な漫画だった。

 

  • 人生に影響を与えた言葉

 このあと、とある会社に3年ほど在籍して仕事をしていたんだけど、最初の1年は、ほとんどうつ状態で仕事に行きたくなかった。理由は3つ、「その道の努力をしてこなかったから」「仲間がいなかったから」「あいかわらずふわふわしていたから」。

 この後、ほとんどうつ状態でもなんとか会社へ行くための唯一の癒しとして、漫画に走った。漫画だった理由は、上記のザ・ワールド・イズ・マインが大きく影響しているのだけれど、これはまた別のお話。

 

この漫画で人生の影響を受けた理由は、『考え方』『生きる上での指針』が少し変わったから。

  • ユリカンの台詞

この漫画の総理 由利勘平(以下、ユリカン)の台詞が、今でも僕の中でいまだ息づいている。ほかにも、魅力的なキャラクターや名言はいっぱいあるけどね。以下、抜粋。

 

「命はハナから価値がない。命は時価。」

テロリストの主人公の一人「トシ」が、立てこもりの際に要求した質問の一つ「命の価値」についての回答。この要求した質問は全部で3つあるんだけど、すべて名回答している。なんだか妙に納得してしまったし、これほどまでに見事な回答もないと感動した台詞。

 

「そんな世界はこの世にない」

上と同時に要求した中の一つ。「世に生きる者のすべてが幸せになる世界の要求」に対しての答え。この後に続くのは、「それでもそれを目指していかなくてはいけない」というような回答をする。

 

「バカは罪」

テロリストの主人公「モンちゃん」「トシ」の模倣犯をつくらないためにテレビを通して、国民に対しての発言。この台詞を読んだ僕は、想像力だけは、日々めぐらしておこうと思った。正確には、「人間の究極の罪は想像力の欠如です。つまり、バカは罪だ!」。

 

  • これ以外にも

魅力は他にもいっぱいある。トシの普通の人からテロリストに変わる描写、その父・母の顛末、陰湿な新聞記者の星野の転向。

 そのうち、もう一度読んで、また再度、はてぶに投稿する。

 

でも、これ読んだ後、就活に身が入らなくて、危うく就職浪人になってしまいそうだったことは、ナイショ。